「地獄でなぜ悪い」は世の中を肯定する曲だ

僕は落ち込んだ帰り道に星野源の「地獄でなぜ悪い」を聴くことがある。

この曲はタイトルは物騒だが、中身は前向きな応援ソングと言っても過言ではない。

ただ、この曲は死の淵をさまよった星野源が作成した曲なので、一般的にイメージするような応援ソングとは一線を画している。

 

まず、この曲は世の中を「楽しい地獄」と定義することから始まる。ここでいう楽しいとは、「友達と遊んで楽しい」という楽しいではなく、徹夜をしまくって、何故かテンションがハイになるような「楽しい」を指している。

つまり、現実は辛いことが多く、その多さに辛いと感じる感情がマヒして逆に楽しくなってきた状態を示している。

 

そして、サビでは「嘘で何が悪いか」という歌詞が現れる。

ここでいう「嘘」とは先ほどの「楽しい」という感情や自分の身の回り全てを指していてる。

本当は辛いのにこの世の中は「楽しい地獄」と言っていることに対して「嘘」だと言っている。

 

このサビの歌詞には星野源が死にかけたけど、後遺症も無く生きている現実に対しての思いが現れていると思う。

星野源は死にかけたのに生きている。その一方で、元気に生きてきたのに突然の事故で死んでしまう人もいる。この世はめちゃくちゃなのだと。

何が正しくて何が嘘なのかも分からない。むしろこの世は全てが嘘なのではないかという思いがサビにでている。

 

だけど、嘘で何が悪いのかと歌詞は続く。

「嘘だろうと楽しいものは楽しいし、悲しいものは悲しい。嘘に巡り合おうとも真実に巡り合おうとも世界はただ進んでいく。そんな世界は無常でまさに地獄のようだ。」

「でも、地獄でいいじゃないか。なぜなら、まだ生きているのだから。生きているのだから突き進んでみろよ。たった一回の人生だし。突き進んでいるうちに自分を苦しめた何かを

 

乗り越えられているかもしれないぜ。」というメッセージが込められていると感じる。

 

正直、この歌はタイトルが物騒だったりして聴いたことない人が多いかもしてないが、落ち込んだときには是非聞いてみることをおすすめする。

 

ただ、この曲には一つ難点がある。それは、カラオケでは歌いづらいということだ。この曲を歌うと少し心が病んでる人だと思われてしまう可能性があるのだ。そこだけは注意することをおすすめする。

 

 

地獄でなぜ悪い

地獄でなぜ悪い