「恋」以前の星野源の名曲を紹介する①くせのうた

俺は星野源が好きだ。「11人もいる!」というドラマで、星野源を知って以来ファンである(そのドラマでは、ヒロユキおじさんというただキモイおじさんであった)。
その頃からいつか人気になって欲しいなと思っていたら、いつの間にかとても知名度が上がってびっくりしている。

当時はgoogleで「ほしの」と入力したら、一番上には「ほしのあき」と出てきたものだが、今では完全に星野源が「ほしの」界のキングに君臨している。

星野源のお茶の間人気は「SUN」で火が付き始めて、「恋」で爆発的な人気になったという感じがある。確かにどちらも名曲だ。
俺も今の星野源の曲もとても大好きである。その中で「くせのうた」という曲について今日は書いていきたい。


1.くせのうた

この歌は夜の帰り道に聴くのをおすすめする。
この曲は「くせ」について歌っている。ではこの「くせ」とはなんであるかというと、人を好きになったときに、その人の事を知りたいと思う衝動を「くせ」と呼んでいるのである。
そして、俺はこの歌のシチュエーションは高校のイケてないグループの男子がイケてるグループの女子に片思いしているという状況だと思っている。

まず冒頭の歌詞を載せる。

☆☆☆

君のくせを知りたいが
ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた
その話を聞きたいな

☆☆☆

このときまずイケてない男子は好きな女子のことを知りたいなと思っている。
ここでいう「癖」というのは本当に意味での「癖」を知りたいという訳ではなく、ただ好きな人のことを知りたいという意味合いの方が強い。
なぜなら、下に「昨日苛立ち汗かいたその話を聞きたいな」と続くからだ。
そう、この男子は好きな人と話したいなという事を心の中で吐露しているのだ。
だが、自分はイケてない男子で相手はイケてるグループに所属していて、「果たして自分が話しかけていいものか」と悩んでいるのだ。

☆☆☆

同じような 顔してる
同じような 背や声がある
知りたいと思うには
全部違うと知ることだ

☆☆☆

ここの歌詞の前半部分では自分と相手の共通点を述べている。
当たり前だが、このイケてない男子とイケてる女子は人間だ。
同じ人間同士似ている部分は沢山ある。だが、好きな人を知りたいと思ううちに相手との違いばかりがとても気になってしまうということだ。
そして、相手との違いがあることを知れば知るほど、このイケてない男子は「相手の事を好きなままでいていいのだろうか?」という考えに悩まされ始めている状況だと考えられる。

☆☆☆

暗い話を聞きたいが
笑って聞いていいのかな
思い出して眠れずに
夜を明かした日のことも

☆☆☆

ここでは、妄想している。
仮にイケてる女子と仲良くなったときに、暗い話を聞いてもいいのだろうかと。
もちろんこの段階ではイケてる女子が本当に暗い話があるのかどうかは分からない。ただ、この女子も自分と同じように暗い話の一つや二つはあって、そんな暗い話を笑って聞ける位の仲になりたいなと思っているのである。

☆☆☆

同じような 記憶がある
同じような 日々を生きている
寂しいと叫ぶには
僕はあまりにくだらない

☆☆☆

ここでは同じような体験(学園祭とかテストとか)を体験し、同じような日々の生活を送っているはずの好きな女子なのだが、その女子について自分は余りにも知らないことばかりであって、同じような空間で日々の学校生活を生きていて色々話すチャンスはあるはずなのに、全然話すことができない自分のふがいなさにくだらないと歌っているのだ。この歌詞のシーンとしては自分の勇気の無さに落ち込んでいる放課後の帰り道みたいな状況だと思っている。

☆☆☆

悪いことは重なるなあ
苦しい日々は続くのだ
赤い夕日が照らすのは
ビルと日々の陰だけさ

☆☆☆

ここでいう悪いことというのは、自分が好きな女子に未だ会話することができていないということである。
いつか話したいと思っても、中々実行に移せないでいる。そんな日々が続く帰り道に、夕日に照らされて少し自傷気味になっているのだ。

☆☆☆

覚えきれぬ言葉より
抱えきれぬ教科書より
知りたいと思うこと
謎を解くのだ夜明けまで

君のくせはなんですか?

☆☆☆

ここでは、好きな女子のこと以外の物事(勉強とか)についてを歌っている。
好きな人のことは何一つ知らないのに、好きでもない勉強の知識はどんどん増えていく。勉強するということは賢くなることだから、賢くなった自分は好きな女子と話す手段も何か考えつくんじゃないかなと期待する。
だけど、全く状況は進展しない。むしろ、好きな女子の事ばかり考えていて、ちっとも勉強が身についていないんじゃないかと考え始める。
勉強はあまり好きではないけど、勉強が将来役に立つということは知っている。だから、勉強はつまらないけど大事だということは理解している。だけど、好きな女子のことばかり考えてしまうという、将来役に立つかどうかも分からないこの「くせ」に悩まされているのは何故なんだろうとこのイケてない男子は自問自答をしているのだ。いつか、好きな女子と話せるその日まで。

この曲は、上記に書いたような世界が一つの一例だと俺は考える。だけど、ここまで曲の解説をしてきて何なんだが、
この曲はメロディも抜群に良いのであまり深く考えずにぼーっとして聴くのが一番おすすめだと思う。


星野源 - くせのうた【Music Video】/ Gen Hoshino - Kuse no Uta