読書感想文① 影響力の武器、イノベーションのジレンマ

影響力の武器とイノベーションのジレンマについて、感想を書いていきたい。

まず、影響力の武器に関して書いていく。
この本は人間が他人から受ける影響がどのように自分の行動に対して、影響を与えるかが書いてある。
例えば、見た目が良い人の話は信じやすかったり、仲がいい人の話にも納得してしまうということである。
この本ではそういう心理的なテクニックや対処方に関して、多く記述してあった。


この本を一回読んでみて、まずは自分は色々な影響を受けているのだなということを学んだ。
そして、その影響を受けていることを防ぐ事は100%不可能だが、ありとあらゆる場面において「自分はそのような影響を受けているんだな。」と自覚することが大事なのだと感じた。

例えば、俺はセレクトショップの別注品や限定品とかが好きで、大学時代は頻繁にそのような商品に購買意欲をそそられて購入していたことがある。
だが、そのような限定品の希少性に踊らされて、購入した洋服の殆どはメルカリに売ってしまったりして、現在は所持していない。
それは、限定品や別注品だからといって、その商品が特別優れているという訳で、自分が「希少性」という言葉に踊らされて、必要でも無いのに購入してしまっていたからだといえる。

その他にも、最近では嵐が活動休止を発表してから、嵐の動向や曲に対する興味を以前より持つようになった。
それは、嵐が2020年には活動休止をしてしまうという事実に「希少性」を感じて、自分の中の嵐に対する相対的な価値が上がってしまっているからだと考えられる。
また、嵐が活動休止をしてから、「人生で一度位は嵐のライブを見てみたいな」と考えるようになった。
この感情は嵐の活動休止というニュースを知らなければ、湧き出ることが無かった感情である。
この経験からもやはり、自分が「希少性」に対してとても影響を受けるなと感じた。

この本の読後に、いかにこの「希少性」の誘惑に対処すべきか考えた。
だが、ここで「希少性」の誘惑に負けることが必ずしも悪い訳では無いと思ったのである。なぜなら、人生はいかに浪費をしないかを競うゲームでは無いので、「希少性」の誘惑に負けて散財をしても何ら罪にはならないからである。
だから、大事なことは「希少性」の影響を自分は受けるということを認識することが大事なのである。
何か物が欲しくなったり、体験したくなったときは「この物欲は「希少性」によるものなのか、どうなんだ?」と常に自問自答することが大事なのである。そこで、「俺は「希少性」の影響を受けているけど、それでも欲しいんだ。」と感じたら購入すれば良いし「「希少性」に踊らされただけで別に必要なものではなかったな」と思えば購入しなければいいだけなのである。

人間は皆「希少性」だけでなく様々な影響力の武器によって、自分の判断に影響を受けている。
なので、まずは影響力の武器からの身の守り方を本書を通じて知ることによって、より人生においてより有意義な選択をできるようになると思う。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

次にイノベーションのジレンマについて、書いていきたい。

本書では、なぜ大企業が技術的なイノベーションに乗り遅れて、衰退してしまうパターンが多いのかについて書いてある。
これを簡潔に述べると、市場は小さい所から始まって、段々と大きくなるため、大企業が小さい市場に投資をするのが割りに合わないために発生するのである。

例えば、多くの大企業は多くの社員や生産設備を所持しており、それらを維持するためにより多くの利益を上げるようになる。そのため、できるだけ多くの利益が生まれるような大きい市場や現在利益を上げている市場に投資をして、利益を獲得しようと努力をしているのだ。
だが、多くのイノベーションは小さい市場や現在には存在や認知されてすらいない市場から発生する。なので、多くの大企業はそのような市場に投資をするリスクが大きいため、既存の市場に投資を集中するためイノベーションが発生しないのだ。

これは一つの核家族をイメージすると、いかにイノベーションが発生しづらいか分かると思う。
例えば父親母親兄弟の四人家族がいるとして、父親がサラリーマンで一家を支えているとする。
このとき、父親が「10年後にはプログラマーがお金を沢山稼げる未来になると予想するから、今の仕事を退職して、バイトをしながらプログラミングの学校に通いたい。」と母親に相談したとする。恐らく母親は反対するだろう「今の仕事を止めたら、生活が苦しくなるじゃない!」と。
だが、仮に10年後に父親が取り組んでいる職業がロボットやAIに代わってしまって職を失い、プログラマーが活躍する未来がやってくるとしたらどうだろう。
この一家にお金を稼ぐ術はなく、貧困に苦しむことになるだろう。だが、10年前の母親の主張を責めれる人が果たしているだろうか。今の暮らしや環境を犠牲にしてまで、現状は小さかったりする市場に投資するリスクを負いたいと思うのだろうか。普通の人は思わないし、俺も恐らく思わない。だから、イノベーションは大企業には発生しないのだ。

では、イノベーションを発生するためにどうすれば良いのだろうか。答えは小さい組織で活動をするという事だ。
例えば、先の家族の例だが、男が仮に独身だった場合、今の仕事を辞めて、プログラマーの道を歩んでも問題ない場合が多い。また、母親もいづれかの収入があった場合で、母親が父親の申し出にOKを出せるなら、父親はプログラミングの学校に通うことができるだろう。

結論から言うと、イノベーションを起こすためには小さい組織でなくてはならないのだ。常に身軽であることが何よりも重要なのである。
これは人生においても同じことで、イノベーションや変化に付いていきたいのなら、なるべく身軽にいることが大事なのである。「スモールイズビューティフル」なのだ。

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)