新入社員が議事録を書く前に読むべきだと思った本

 もうすぐ新入社員としての一年が終わろうとしている俺だが、今年一年を振り返ると日本語で事実を述べる難しさを痛感した一年だった。

 まず、俺は入社したときから、「早く自分の専門性に繋がる仕事を沢山しなくては!」と焦っていた。だが、配属後に実際に取り組んできた業務は議事録の作成や会議室の予約、資料の簡単な修正などの雑務がほとんどだった。この雑務を経験して、ほぼ毎日定時で退社する日々が長く続いた。そんな日々を過ごして、「こんなんで将来専門性を身につけて俺はバリバリ働けるようになるんだろうか。」と不満たらたらで過ごしていた。
 
 だが、俺はあるとき気づいたのだ。「議事録ちゃんと書けていなくね?」と。なぜなら議事録を書けば、上司に文章を訂正され、日報や週報を書けば誤字脱字を指摘されることが何回もあったからだ。この経験から、俺は仕事に取り組むに当たり、業務の専門性を身につける以前に文章を論理的かつ分かりやすく書く能力が欠けていると気づき、とても俺は反省した。「議事録も満足に書けないのに、何が専門性や!!」と。

 だから、俺は未だ見ぬ今後社会人生活をスタートするであろう人たちに伝えたいのだ。「議事録を書くのは難しいぞ。」ということを。そして、この機会に議事録や日報などを書くことに躓いたときに読んで欲しい本を2冊紹介したい。


①考える技術、書く技術

 この本は「入社一年目の教科書」でも紹介されている本である。そして、議事録を書く前に読むことを勧められている本である。この本は、文字通り論理的に考えて、その考えた内容を論理的に書く方法を書いてある本である。読んでみた感想としては、この本はかなり退屈な本だと思う。あまり、面白いと感じる部分が少ないからだ。なので、正直全部を読んではいない。だが、大事な概念がとても多く書かれていると思う。それは、

①伝えたいことから考える
②ピラミッド構造で考える

この2点である。

まず、①から書いていきたい。この「伝えたいことから考える」という言葉は耳にタコができるほど聞いたことがある人が多いと思う。俺もこの言葉を耳にタコができるほど聞いたことがある。だが、議事録作成や日報を書く際にこの①を行うことが難しいと感じた。まず、議事録において、会議の参加者は当たり前のようだが伝えたいことから考えて喋っていない。喋りながら、伝えたいことを考えているのである。というよりも、人間は原稿などを準備せずに喋る場合、伝えたいことを喋りながら考える場合が多いのだ。

 だが、議事録を作成するときは逆転現象が起きる。会話とは逆で、文章は伝えたいことを最初に考えてから文章を書き始めることが多いからだ。なので、議事録を作成するときには会話の内容を理解、分解して、それを再構築する必要があるのだ。よって、議事録作成で大事なことは、発言者の言葉の意図を自分の言葉で表現し、その言葉の意味が発言者の伝えたいことと一致していることが大事なのだ。

 しかし、この自分の言葉で表現するというのが新入社員には難しい。なぜなら、自分の言葉で表現する練習というものが学生時代には殆ど無いからである。日本の授業の多くは先生が黒板に書いた言葉を書き写すだけだし、テストの多くも四択問題でいかに正解を当てるかというものだからである。
しかし、議事録作成には答えはない。答えは発言者の頭の中にしかないからだ。なので、議事録作成には答えの見えない問いに答えを自分なりに考えて当てはめる能力が必要なのである。なので、俺はこの能力の無さにに気づき、この能力を高める必要があると考えたのである。その方法は、自分が感銘の受けた言葉や記事を自分なりの言葉に変換して日記に書くということである。例えば、ある本のある文を読んで、感銘を受けたとき「おれはこの部分のどの言葉に感銘を受けたんだろう?」ということを考える。そして、自分なりの言葉に変換して、日記に書くのだ。感銘を受けた言葉を日記に書くだけじゃだめなのである。それでは、学生時代の授業と一緒になる。そうではなく、感銘の受けた言葉を自分なりの言葉に変換すること。これこそが議事録作成に繋がる能力であり、伝えたいことが考えることに繋がるのである。

②に関しては、伝えたいことに対して、重みを載せていく考えである。文章構造がピラミッドのように伝えたいことを支える根拠がちゃんと繋がっているかを考える必要があるのだ。
この②に関してのアドバイスは常に文章を考える際は頭の中にピラミッド構造を思い描いて書くようにするのが良いと思う。

もう一つの本は「日本語の作文技術」という本である。
この本で伝えたい大事なことは二つある。

①日本語は論理的な言語である
②日本語は述語が一番大事

ということである。
①に関しては、日本語は曖昧な言語だと思っている人が多いと思うが、それは間違いだということである。日本語はれっきとした論理的な言語なのである。なぜなら、逆説的に論理的でない言語ならこんなに長い間使われることが無いからだ。だから、日本語でも論理的に記述することを意識することが大事なのである。後は②で書いたように、日本語は述語が文章の王様なのだ。だから、文章を書くときは述語を意識して日本語を書くことをおすすめする。

以上のように本について紹介したが、この2冊の本はどちらもおすすめである。是非、議事録作成や日報などに躓いたら読んでみて欲しい。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

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